実りある話し合いを 学校でのいじめや不登校の問題についての対応が議論されていますが、効果的な対策は十分に示されていないようです。提案の多くは、先生と生徒、学校と地域、親と子の間で何でも話せるような信頼関係をつくり、連携を深める、というところまでは話が進むのですが、それにはどうすればよいか、というところまで踏み込んでいないのが現状です。
話し合うことは確かに大切です。しかし、その話し合いがかえって逆効果になる可能性も無視できないのです。話せば解決するということは思いのほか少なく、話し合いの中で感情的な対立が起これば、かえって関係が悪くなったりするのです。
そこで、より実りある話し合いをするにはどうしたら良いかということで、一つの提案をしたいのです。
私はそれを「対話法」と呼んでいます。これは私の専門であるカウンセリングの基本の一つである「話の聞き方」を基本にして、日常生活でも使えるように簡略化したものです。
「自分の気持ちを分かってくれる人に対して人は好意を持ち、そこによりよい人間関係が生まれる」というのが対話法の考え方の基本です。
尊重し合える関係ができていれば、本音が言いやすくなり、対話が深まります。それには「相手の話を聞きっぱなしにしないで、こちらが受け取った内容を相手に言葉で伝え返す」ことです。
自分の意見を言う前に「相手が話した内容のポイントをまとめて相手に確認する」ことが、対話法の唯一の約束ごとです。しかし、これは簡単そうに見えますが練習しないと実際身につかないものです。
そこで今、私は関心を持っている人たちと一緒に学習会を続けています。
(上毛新聞・ひろば・1995.12.23)
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